あらすじ
【レビュー⭐️大歓迎!】
※一章ずつ読むのをお勧めします。壱から漆まであります。
【あらすじ】
事故死したはずの青年は、葬儀に参列していた。
名前を呼ばれ、弔われ、惜しまれながら――自分だけが、その輪の外にいる。
幽霊となった青年に声をかけてきたのは、雪邦と名乗る男だった。
彼は「祓い屋」として、死者の身辺を調べ、未練や歪みを整理する仕事をしているという。
事故死とされた青年の死には不審な点があり、その真相を探るため、雪邦とその相棒である狐の妖怪・柘榴は、青年と行動を共にすることになる。
調査を進めるうちに浮かび上がる、生前の人間関係。
共に事故に遭った“もう一人の存在”。
そして、青年自身が語る記憶と、周囲の証言との間に生じる、微妙なズレ。
次第に明らかになっていくのは、事故の裏に潜む暴力と悪意、そして「名前」と「存在」を巡る歪んだ因果だった。
生者と死者、名前を持つ者と持たない者。
勘違いと意図が絡み合う中で、青年の存在そのものが危険な力を帯び始めていく。
――自分は、何者なのか。
――このまま消えるべき存在なのか。それとも、まだこの世界に留まる意味があるのか。
「名を与えられる」ことは、救いなのか、それとも呪いなのか。
祓い屋の男の欲望と、妖怪の忠告、そして青年自身の願いが衝突する時、物語は不可逆の選択を迎える。
これは、死後から始まる“身辺調査”の物語であり、
名前を持てなかった存在が、自らの居場所を問う、昭和を舞台にしたダークオカルト・ヒューマンドラマ。