あらすじ
世界は、灰色だった。
生まれた時から色が欠落した少女、稲山 茉白(いなやま ましろ)。
彼女の空虚な世界を、たった一つの「色」が塗り替えていく。
それは、完璧な美貌を持つ少女――色風 常盤(いろかぜ ときわ)。
彼女といるときだけ、世界はゆっくりと色づいていく。
優しくて、温かくて、まるで救われたように。
けれど――その“色”は、本当に美しいものなのか。
静かな日常の中で、少しずつ滲み出していく違和感。
やがてそれは、取り返しのつかないかたちで輪郭を持ち始める。
それでもなお、茉白は願ってしまう。
――あなたの色を、知りたいと。
色と依存が織りなす、静かで歪な百合物語。
(この物語にはファンタジー要素が含まれます)