あらすじ
人はいつから、自然の声を「背景」に変えてしまったのだろうか。
かつて地球は、生きていた。森は語り、水は歌い、風は記憶を運んでいた。しかし文明が進むにつれ、その声は少しずつ小さくなり、人間の欲望の音にかき消されていった。
それでも、完全に沈黙したわけではない。
誰かが耳を澄ませば、今でも聞こえる。葉の擦れる音の奥にある「警告」。川の流れの奥にある「祈り」。そして、消えかけた生命たちが放つ、かすかな「叫び」。
この物語は、その声を聞いてしまった若者たちの記録である。
舞台はインドに広がる神秘の地――Western Ghats、Sundarbans、そしてIndo-Burma Biodiversity Hotspotをはじめとする、生物多様性の最後の砦。
そこには、まだ人類が知らない真実が眠っている。
一枚の「存在してはならない地図」が、すべてを動かした。
それは偶然ではなく、選ばれた者への“招待状”だったのかもしれない。
プラフラード・シンは、その地図を最初に手にした少年だった。彼は特別な力を持っていたわけではない。ただ、他の誰よりも少しだけ「立ち止まる心」を持っていた。
仲間たち――マナット・カウル、ドゥルヴ・クマール、ラジニ・シャルマ、ヴィール――それぞれが異なる価値観と傷を抱えながらも、その地図に導かれていく。
やがて彼らは知ることになる。
自然は守られるものではなく、対話する存在であることを。
そして、人間の選択が、世界そのものの未来を変えてしまうことを。
これは冒険の物語であり、謎の物語であり、そして“選択”の物語である。
――あなたがもし森の奥で、自分の名前を呼ぶ声を聞いたなら。
それは、もう始まっているのかもしれない。