あらすじ
『IRIS LOG』は、旧世界の残滓を基盤として継続する現行世界の記録群である。
記録対象は、各時代、各地域、各環境において生存する人類および関連存在。
収録される事象は個別に独立しているが、すべて同一世界構造上で発生したものとして整理される。
現行世界の住民は、自らが立つ基盤の由来を認識しない。
生活、信仰、制度、習慣、言語、能力、価値観の多くは、旧世界に起因する要素を含みながら、すでに現在の世界へ自然化している。
対象はそれを疑わず、自身に与えられた環境の内側で生存し、選択し、関係を築き、破綻する。
本記録は、世界そのものを主対象とする。
個体の感情、社会の構造、時代ごとの空気、反復される誤認、継承される残響を含め、現行世界に生じる変化を断片単位で保存する。
各記録はひとつの物語として観測可能であると同時に、世界全体の輪郭を補完する断面でもある。
『IRIS LOG』は、失われた旧世界の上に成立した現在を、内部から生きる者たちの視点と、その外側から残される記録の両面によって保存する連作記録群である。