あらすじ
福岡の空の要、脊振山分屯基地のレーダードームが沈黙した。
猛吹雪の山頂へ出撃した管制機「カササギ」を待ち受けていたのは、空間の電波を食い荒らす強大なバグ「因果食いのムカデ」。
敵が放つ強烈なマジック粒子の光により、柳美緒のS級の網膜は焼き切れ、一時的な全盲状態に陥ってしまう。 暗黒の機内で「手のひらの温もり」を頼りにした決死の不時着。そして、遭難した隊員たちを「検体」として狙う鷹宮所長の部隊との、音だけを頼りにした泥臭い山狩り攻防戦。
極限状態の中、自らを「使い捨ての部品」と卑下する柳は、世界にバグを縫い付けるため、命を懸けて自らの網膜を焼き切ろう(自死)とする。 だが、一ノ瀬機長、野上三佐をはじめとする不夜城の大人たちは、力ずくで彼女を抱きしめ、それを止めた。
「あんたは部品なんかじゃない、私たちのかけがえのない『柳さん』なの!!」
視界を失った柳に、クルー全員が操縦桿の重さ、エンジンの悲鳴、そして心臓の鼓動という「命の音」を伝達し、暗闇の中に必勝の座標を描き出す! 29歳の不自由な女王が、初めて「新しい仲間」を見つける、涙と絆の胸熱エピソード!