あらすじ
職を失った志岐清隆は、亡き大叔母の遺した山奥の古家を整理するため、その屋敷へ移り住むことになる。
だがその家は、ただの古家ではなかった。
山と里、人と人ならぬものの“境目”を守る家――長く閉ざされていたせいで、家には黒い穢れが満ち、庭の池からは異形が這い出してくる。
しかも清隆には、自分でも知らない不思議な力があった。
乱れたものを整え、淀んだものを祓い、通るべき道を通す力。
白い鹿の神、癖の強いあやかしたち、そして次々持ち込まれる怪異の気配。
家を掃除し、飯を炊き、暮らしを整えることが、そのまま人ならぬものの理を正すことにつながっていく。
これは、山あいの古家を舞台に、ひとりの青年が神とあやかしの間に立ち、静かに、だが確かに“守り人”となっていく物語。