あらすじ
王都から隔絶された古城ドラクロワ。
そこに棲むのは、角を持つ魔女ベルローズと、二体の精霊だけ。
彼女はかつての裏切りによって心を閉ざし、静寂の中で生きていた。
ある日、城の庭園に一匹の蒼い狼が流れ着く。
首には、王都の支配を象徴する“銀の首輪”。
それはかつて、自分を縛ったものと同じだった。
嫌悪と共鳴の果てに、ベルローズはその首輪を破壊し、
狼を自らの魔力で繋ぎ止める。
――それは救済か、それとも新たな支配か。
人の姿を得た狼――ルシアンは、城の「騎士」となり、
主に与えられた居場所の中で生きることを選ぶ。
孤独な城主と、不器用な騎士。
そして彼らを囲む精霊たち。
静かな城で、少しずつ変わっていく関係性。
それはやがて、互いの孤独を侵食していく――。
これは、支配と救済のあいだで揺れる、
微熱を帯びたダークファンタジー。