あらすじ
「おはよう、湊くん」
高校入学初日。そう声をかけてきたのは、校内でも一際目を引く美少女――白河琴音だった。
だが、俺には理解できなかった。
なぜなら、彼女とは今この瞬間が初対面のはずなのに、なぜか俺の名前を知っていたからだ。
それだけじゃない。
彼女は、まるで前から知っているかのような距離感で接してくる。
そして時折――ほんの一瞬だけ、“別人のような顔”を見せる。
『――今度は、忘れちゃだめだよ。湊くん』
意味の分からない言葉を残し、彼女は何事もなかったかのように振る舞う。
誰にでも優しく、完璧な優等生。
けれど、なぜか俺にだけ向けられる、どこか歪んだ感情。知らないはずなのに、なぜか懐かしい。
近づくほどにズレていく距離感。
日常の中に紛れ込んだ、確かな“違和感”。
これは、少しだけ普通じゃない美少女と、違和感に巻き込まれていく俺の――歪なラブコメディ。