あらすじ
父の死で借金を抱えた伯爵令嬢イリスは、一年後の離縁を条件に、冷酷と噂される辺境伯ルシアンへ嫁ぐことになった。
契約は明快。
別室。
互いの私生活へ干渉しない。
一年後には相応の支度金つきで円満に離縁。
それだけの、はずだった。
けれど辺境伯は、
寒い夜には火を足し、
苦手な香辛料を覚え、
そして毎晩、寝室の扉越しに律儀に「おやすみなさい」と告げてくる。
離縁まであとわずか。
こんなに丁寧に大事にされてから、契約通りにさようならをするのは少し困る。
不器用な辺境伯と、離縁前提で嫁いだ令嬢の契約結婚から始まる異世界恋愛短編です。