あらすじ
最強のドラゴン娘・アズサは、告白してくる男を片っ端から返り討ちにしている。
「結婚してほしければ、わたしに釣り合うくらいの男に生まれ変わって、出直して来なさい!」
——つまり一度死んで来い。最強ドラゴン娘の求婚ハードルは、文字通り命がけだ。
でも俺は知っている。こいつの「昔」を。
小学校の頃、アズサはただのトカゲ獣人だった。臆病で泣き虫で、俺の後ろをちょこちょこ歩いて、毎日「手を繋いで帰っていい?」と聞いてきた。
そんな彼女は卒業間近に体調を崩して入院。病気だと思っていた。だが、三年後に再会したら、角と翼と尻尾が生えていた。百万人に一人のドラゴン化。俺の知っていた臆病なトカゲ獣人の女の子は、最強のドラゴンになっていた。
——それなのに、俺との距離感だけは、昔のまま。
弁当を作ってくる。肩に頭を乗せてくる。尻尾が勝手に腰に巻きつく。他の女子が近づくと翼で壁を作る。
そしてある日、貸切にした体育館に俺を呼び出して、こう言った。
「あなたと結婚したいの。だから、決闘しましょう」
勝ったらお婿さん。負けたらお嫁さん。らしい。
——同じだろ。
「同じじゃないわよ! 主導権の問題なの!」