あらすじ

天正十年、六月。本能寺が燃え、時代が「正解」に向かって動き出す中、鞆の浦で一人の男が世界と戦っていた。 その名は、足利義昭。 後世の教科書に、ウィキペディアの数行に、「無能な敗北者」と刻まれた男。 だが、俺には見えている。視界を侵食する黒い文字――【無能、足利義昭】。 それは世界が俺を消去しようとする「定義」の烙印。 義昭は、崩れゆく右腕を熱い墨壺へと突き込み、世界の記述に干渉を開始する。 山崎で死ぬはずの明智光秀を「未確定」へとハックし、万人の合意で歴史を固定しようとする羽柴秀吉の「正解」を焼き払う。 嗅覚が消える。右足が砂になる。 五感を代償に、義昭は世界の文字列を引き裂き、一文字残らず書き換えていく。 「勝手に決めるな。ここから先は、俺の物語だ」 歴史のバグを突き、確定した未来をハックする。 足利義昭の、孤独で壮絶な再定義が始まる。

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カクヨム
カクヨム2026/04/13
  • 現在の作品バグ天下――歴史に「無能」と書き込まれた俺は、世界の記述をハックする