あらすじ

鍛刀中に意識を失った現代刀工・武蔵国住兼真は、目を覚ますと鍛冶場ごと異世界の森に転移していた。 状況を把握する間もなく、折れた剣を手にした女騎士が魔物に追われて飛び込んでくる。 兼真は迷わず一振りの刀を渡した。 「両手で柄を握れ。叩くな――引いて斬れ」 その一言で、戦いは終わった。 魔物は、何の抵抗もなく斬れていた。 それは完成された刀ではない。本来は別の依頼主のために打たれた“影打”――本歌へ至る前の一振り。 だがその刀は、この世界の常識を否定する。 叩き、力で断つ剣の世界において、 “引いて斬る”という概念は存在しなかった。 やがて女騎士は、その刀に適応していく。 そして気づく。 自分が強くなったのではない。 この刀と、この刀工が異常なのだと。 鍛冶場にしか存在しない技術。 限られた玉鋼。 量産できない刀。 ゆえに、価値は独占される。 騎士団、冒険者、貴族―― すべてが“その刀”を求めて動き出す。 だが兼真は言う。 「売らん」 これは、戦わない刀工が、 武器の概念そのものを書き換え、 戦場を裏から支配していく物語。

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小説を読もう2026/04/13
  • 現在の作品叩く剣の世界で、「引いて斬れ」と教えたら戦いが変わった