あらすじ
結婚式当日、永遠の愛を誓うキスの瞬間に死んでしまった山岸道子(28歳)。
次に目覚めると、なんと明石海峡を漂う「マダコの赤ちゃん」に転生していた!?
「なんで私がタコに!?……まぁ、いっか! 海鮮美味しいし!」
人間の頃は他人の顔色ばかりうかがっていた道子だが、過酷な弱肉強食の海で「タコとしての本能」にあっさりと順応。極上シーフードバイキングを満喫し、海のギャング・ウツボの襲撃を自切で回避しながら、たくましく図太く生き抜いていく。
やがて道子は、ひとりの気高きオスタコとの出会いを経て「母」となる。
マダコの寿命はわずか一年足らず。絶食と終わりの見えない外敵との防衛戦の中、己の命を削ってでも「|海藤花《かいとうげ》」(タコの卵)を守り抜く道子が最後に見つけた、真の愛の形とは――。
これは、食物連鎖の底辺でたくましく生き、気高く海へと還っていった、ある女の短くも熱い一生の物語。