あらすじ
災害で疲弊した伯爵領を救うため、伯爵令嬢マリアベルデ・クランツェルは王都へ通い続けていた。
病弱気味の父、気弱な母、まだ幼い弟。
家と領地を支えるため、彼女は何度も頭を下げ、願い、耐え、受け入れてきた。
王家は助けると言わない。
けれど見捨てるとも言わない。
差し出されるのは、いつも曖昧な希望ばかり。
届く支援は少しだけ足りず、少しだけ遅い。
それでも彼女は、領地と領民のために立ち続けた。
だがある夜会で、マリアベルデは“悪役令嬢”として断罪される。
王家の名誉を乱した女。
節度を欠いた女。
不相応な望みを抱いた女。
そうして切り捨てられるはずだったその場で、彼女は静かに口を開く。
――ならば、全部申し上げましょう。
これは、ずっと受け入れていた令嬢が悪役令嬢にされた日から始まる、断罪返しと王家再編の物語。