あらすじ
住宅街の片隅に、ある夜だけ現れる不思議なコンビニ。
そこには、未来を先取りできる「未来メモ」、感情をやり直せる装置、選択の結果を見せる「選択ログ」など、現代には存在しない商品が並んでいる。
店を訪れる人々は、それぞれの悩みや迷いを抱えながら商品を手に取り、使い方次第で少しだけ人生を変えていく。けれど、その変化は決して万能ではなく、「選ぶこと」と「選ばなかったこと」の重みを静かに浮かび上がらせる。
すべての話には共通して、誰も使わない“白い箱”が紛れ込んでいる。
そして物語の鍵を握るのは、たった一つだけ「保留された選択」。
やがて明かされるのは、このコンビニの本当の役割――
それは人生を変える場所ではなく、「選ばれなかった可能性を消さずに残す場所」だった。
選ぶことも、選ばないことも、すべてはその人の人生になる。
静かで不思議な夜の中で、それぞれの“選択の続き”が描かれていく連作短編集。