あらすじ
三十七回、落ちた。
ダンスで落ちた。歌で落ちた。
「雰囲気が違う」で落ちた。雰囲気って何だよ。
それでも、桃田ぴよこは行った。
三十八回目に行けるかもしれないから。
客が八人のライブハウスから、
一万人の武道館へ。
でも──
夢が叶ったその先にあったのは、
拍手でも、歓声でもなく、
「で、明日なにしよう」だった。
誰かの「頑張ってね」でできている人生と、
全部叶えた後に残る、静かな宇宙。
これは、夢を叶えた人間の物語で、
夢が終わった後の物語でもある。
そしてたぶん、あなたの話でもある。