あらすじ
この幸せが、すべて嘘だとしたら――。
八年前の七月。うだるような暑さの中で、私の日常は音を立てて崩れ去った。
最愛の姉を襲った、あまりに理不尽な悲劇。
犯人の行方も、奪われた平和も、戻ってくることはなかった。
それから八年。
私は過去を振り切るように、新しい場所で、新しい自分として生きていた。
そして出会った、穏やかな彼。
彼と過ごす時間は、凍りついていた私の心を溶かしていく。
けれど、ふとした瞬間に過る「違和感」。
優しすぎる微笑みの裏側。
記憶の底にある、あの日の残像。
失った名前を呼べる相手を求めていただけの私は、まだ知らなかった。
この恋の先に、どのような「真実」が待ち受けているのかを。