あらすじ
朝比奈湊には、人と触れるだけで理性を壊してしまう体質がある。
だからずっと、他人と距離を取って生きてきた。
――けれど。
両親の再婚でできた義姉と義妹は、最初から様子がおかしかった。
距離が近い。視線が重い。触れても、壊れない。
それどころか――
「安心していいわ、湊。私はもう、とっくに壊れてるから」
冷静にそう言い切る義姉。
そして無邪気に笑いながら距離を詰めてくる義妹。
やがて両親は単身赴任で家を離れ、残されたのは三人だけの閉ざされた空間。
逃げ場のない日常の中で、
“壊れているはずの二人”は、少しずつその本性を露わにしていく。
――最初に境界を越えたのは、誰だったのか。
これは、触れれば壊れるはずの関係が、
すでに壊れたまま始まっていた物語。