あらすじ
あらすじ
『二度目の宰相は手加減しない』
〜転生者は神竜を連れて国を建て直す〜
平民出身でありながら、四十年の歳月をかけて宰相の座まで上り詰めた男がいた。
その名はライナス。
腐敗した貴族たちの横暴から民を守るために生涯を捧げた彼は、六十二歳のある日、宿敵・腐
敗貴族筆頭ドミトリに仕組まれた冤罪により、断頭台の露と消えた。
―――次に目を覚ますと、赤ん坊になっていた。
転生先は南部の没落貴族・アッシュクロフト子爵家の三男。
五歳で前世の記憶が完全に蘇り、六十二年分の政治・経済・外交・軍事の知識を手に入れた彼は、静かに、しかし確実に牙を研ぎ始める。
「今度こそ、あの腐った連中を一人残らず追い落とす」
七歳のある日、導かれるように迷い込んだ聖域の森で、ライナスは白銀に輝く一つの卵と出会
う。
その瞬間、女神アルティアの声が響いた。
「その子はあなたに預けます。共に世界の理を正しなさい」
卵から生まれた神竜の幼体――シルヴァ。
手のひらサイズの白銀のトカゲは、神竜とは思えない無邪気さで即座にライナスの頭の上に乗り、そのまま昼寝を始めた。
こうして前世の記憶を持つ転生宰相と、規格外の力を秘めた神竜の、少し騒がしい二人三脚が始まった。
魔法学院では天才令嬢と火花を散らし、政界では腹黒い策謀を縦横無尽に張り巡らせ、戦場では神竜の加護を背に敵を震え上がらせる。
普段は飄々と掴みどころのない笑みを浮かべながら、悪人の前では氷のように冷たく、民の前では誰よりも熱く――。
これは、一度死んだ男が二度目の人生で「本当の理想の国」を作るまでの物語。
そして、この転生が「偶然」ではなかったと知る日まで――彼はまだ、何も知らない。