あらすじ
迅雷の刻〜御前試合天下無双伝〜』これまでのあらすじ
1. 天下最強を決める宴の幕開け
徳川の治世が定まりつつある慶長年間。徳川将軍家は、日ノ本の武の極致を示すべく、選ばれし十六人の武芸者による**「十六人選抜御前試合」**の開催を宣言する。この大会は、徳川十六神将をイメージした重臣たちが、それぞれ己の威信をかけて最強の候補者を推挙するという、名誉と意地がぶつかる国家規模の儀式であった。
2. 師の遺志を継ぐ者
鳥居元忠の推挙を受け、江戸の地を踏んだのは山中広高。彼は「新影流和刀術」に加え、幻の古流「神羅古流迅雷打法」を操る若き剣客である。病に倒れ、武術大会への出場が叶わなかった亡き師匠の悲願を胸に、広高は「世界最強」を証明するため、並み居る強豪たちが集う江戸城・西の丸へと足を踏み入れる。
3. 強敵たちとの邂逅
入場式に集った十六人の候補者たちは、いずれも一筋縄ではいかない猛者ばかりであった。
• 酒井家推薦の永井蒼:酒乱で粗暴ながらも圧倒的な威圧感を放ち、賞金のみを目的とする不遜な男。
• 平岩家推薦の永倉真一:江戸っ子気質で自由闊達、自らの道場を世界一にすることを目指す義理堅い剣士。
一触即発の空気が流れる中、広高は「最強の証明」という己の芯を揺らさず、ライバルたちと初めて言葉を交わす。
4. 開戦、雷鳴の如く
将軍の開会宣言により、ついに御前試合の火蓋が切って落とされた。
第一試合のリングに上がったのは、山中広高。対するは「血槍九郎」の異名を持つ大久保家推薦の猛将・長坂。
静謐な熱気に包まれた江戸城で、広高の放つ「迅雷」の剣が、天下無双への第一歩を刻もうとしていた。