あらすじ
王都郵便局で働く真面目な配達員、レイ・ハルト。彼には誰にも言えない秘密があった。それは、リントヴルム侯爵家の令嬢クラウディアから毎月出される「宛先不明の詩歌便」が、実はすべて自分宛ての恋文であると気づいていること。
しかし、相手は雲の上の貴族令嬢。「勘違いで名乗り出れば不敬罪で死ぬ」と思い込んだレイは、三年間、完璧に『気づかないフリ』を貫き、受取拒否の体裁で持ち帰っては自宅の床下に大切に隠し続けていた。
一方のクラウディアも、絶対バレないように遠回しなポエムで恋心を伝え続ける「冷徹な氷の令嬢」を不器用に演じきっていた。
究極のすれ違い両片想いを続ける二人だったが、ある日、恋の焦りから比喩をバグらせたクラウディアの詩が、偶然にも実在する「解釈の怪物」リューデンドルフ伯爵の住所と一致してしまう。求愛だと勘違いした伯爵により、強制的に結婚が決定し……。
迫る婚礼の日。愛する人を救うため、平民の配達員は特急便のシステムと自らの職業の矜持を武器に、花嫁奪取の完璧な計画を企てる!