あらすじ
「ねえ、静かになったわね……」
それは、世界中の『秘密』を巡る、最も残酷で美しい盤上遊戯(ゲーム)の果て。
他人の嫌な感情が不快なノイズとして聞こえる呪いを背負った少女、リーン。
彼女と相棒ガルドの目的はただ一つ。世界に散らばる異能の源たる『秘密』を、すべて一冊の「本」へと還すこと。
それは、自身の耳を劈(つんざ)く絶望的なノイズを永遠に消し去るための旅だった。
だが、世界はそれを許さない。
彼女の前に立ちはだかるのは、理不尽で巨大な「偽りの遊戯(ゲーム)」。
国家の存亡と現金を天秤にかけるデシラ王国との『半年間のマネーゲーム』。
盤上ではなく現実の血が流れる、ロイ王国対全世界の『世界大戦ゲーム』。
そして、すべての秘密を抱えた「神」との、世界の行く末を当てる『箱庭ゲーム』。
血を吐くような制約のある『秘密』の副作用に耐えながら、リーンは圧倒的な知略とイカサマで絶望的な盤面を次々と蹂躙(じゅうりん)していく。
途中で明かされる、秘密を持たざる者への「復讐と反乱の劇(第二部)」。
視点が切り替わり、幾重にも張り巡らされた伏線が収束する時、リーンが辿り着く「世界の秩序」とは——。
なぜ、彼女の能力は「奪えないまま消えた」のか。
全数百話に及ぶ知略と欺瞞(ぎまん)の果て、終末の観測者となった少女が最後に世界へ落とす「一冊の本」。
これは、とある本に記された、すべての種族が『秘密』を愛せるようになるまでの、壮大な神話である。