あらすじ
右のイヤホンを、あいつはいつも黙って渡してきた。
高校時代、毎日同じ路線で帰っていた同級生のキョン。
片耳ずつMDを聴きながら、友達以上にも恋人にもなれなかった俺は、学園祭の帰り道、駅のホームで突然告白して——あっさり振られた。
それから約20年。2026年、38歳になった俺の人生は、
静かにぐちゃぐちゃになっていた。
深夜、酔った勢いで階段を踏み外す。
落ちると思った。
顔を上げると、そこには制服姿のキョンが立っていた。
「……リュウ? なんで泣いてるの」
ガラケーの画面には、2005年11月3日。
やり直せるなら——今度はちゃんと、伝えたい。