あらすじ
平凡な高校生・天城リクは、学校の資料室で一つの硯箱を見つける。
それは、ただの文房具ではなかった。
触れた瞬間、彼は“未完成の世界”へと引きずり込まれる。
そこは、文字や存在が崩れ、現実が成立していない異質な空間。
そして現れるのは、人でも物でもない“未固定存在”――欠損を埋めるために他を取り込む異形の存在だった。
絶体絶命の中、硯箱が開き、筆・墨・硯が一体化した“書く力”がリクに宿る。
彼が描いた線や文字は、そのまま現実を書き換える力を持っていた。
敵を退け、元の世界へ戻ったリクのもとに届く謎の通知。
《観測者に選定されました》
《未完成世界の修復を開始してください》
それは、この世界が未だ“完成していない”ことを意味していた。
現実の裏側で進行する“崩壊”。
増え続ける未固定存在。
そして、世界を書き換える力を持つ“観測者”たちの存在――。
美として封じられた硯箱の蒔絵には、世界の構造そのものが刻まれていた。
「書くことで、世界は救えるのか――それとも壊れるのか」
選ばれた少年は、“現実”を修復するための戦いへと巻き込まれていく。
これは、未完成の世界を“結び直す”物語。