あらすじ
とある高校の放課後。教室には二人の生徒だけが残っていた。それぞれ携帯ゲーム機を手に持ち、一つの机を挟んで向かい合って座っている。片方は椅子の背もたれに腕を乗せ、気だるげな表情。時折、「はあ……」とため息を漏らす。もう片方は机に肘をつき、無言で操作を続けていた。
窓の外では、グラウンドから運動部の掛け声が断続的に響いてくる。遠ざかり、空へ溶けていくように消えていく。
「はーあ、受験勉強だりいなあ。全然遊べねーし」
片方がふいに手を止め、ゲーム機から視線を外して天井を見上げた。
「今、遊んでるじゃん」
向かいに座る彼は、画面から目を離さないまま淡々と応じた。