あらすじ
悪役令嬢、婚約破棄、断罪。 そうしたおなじみの形の中で、ひとりの侯爵令嬢はずっと「感じの悪い女」として扱われてきた。
人の善意を素直に受け取れない。 疑い深く、言葉が刺々しい。 王太子の隣に立つにはふさわしくないと、誰もがそう思っていた。
けれど彼女自身にも分からないまま、少しずつ何かは削られていた。
銀の匙で確かめ続けた日々。 見えていたはずなのに、見えなかったもの。 婚約破棄の夜を境に、侯爵家に沈んでいた静かな異変が、ようやく形を持ちはじめる。
これは、悪役令嬢と呼ばれた少女が、 自分を自分で疑わされてきた理由へ辿り着く話。