あらすじ
箱根駅伝で「山の神」と称された二条橙吾(にじょう・とうご)。
交通事故により選手生命を絶たれた彼は、今はイベント会社のアルバイトとして働いている。
ある日、人気アイドルグループ『虹橋31』のインストアライブ設営中、控室に戻らない非選抜メンバー・北原こより(きたはら・こより)の捜索を任される。
ショッピングモールの階段で見つけた彼女は、箱根駅伝で笑いながら山道を駆け上がる“あの日の橙吾”の動画を「お守り」にしていた。
選ばれない現実に怯えながら、それでも舞台に立つ少女。
走れなくなり、“何者でもない自分”と向き合えずにいる青年。
「何者にもなれなかったら、どうしたらいいですか?」
階段の途中で交わされた問いは、止まったはずの時間を再び動かしていく――。