あらすじ
平凡な高校生・神谷ユウは、雨の日に立ち寄った古道具屋で「墨壺(すみつぼ)」を手にした瞬間、崩壊した異世界へと転移してしまう。
そこは、あらゆる存在が“未完成”のまま漂う歪んだ世界。
人の形をした怪物たちは「境界」を持たず、形も意味も曖昧なまま暴れ続けていた。
だがユウの手にした墨壺は、ただの道具ではなかった。
糸に墨を含ませて“線を引く”ことで、あらゆるものに「境界」を与え、その存在を確定させる力を持っていたのだ。
その力は、未完成の怪物を“完成=終焉”へと導く一方で、世界そのものすら切り分け、壊しかねない危険な力でもあった。
やがてユウは、謎の少女と出会う。
彼女は告げる——この世界は“歪み”に侵されており、境界を失った存在が増え続けていること、そしてその均衡を正せるのは“線を引ける者”だけだということを。
引けば終わる。だが、引き方を誤れば世界も壊れる。
自分だけが持つ力の重さに戸惑いながらも、ユウは決断する。
逃げるのではなく、“線を引く者”としてこの世界に向き合うことを。
これは——
「境界」を描き、世界を定義し直す戦いの物語。