あらすじ

後輩が泣いている。入社三日目で。 フェネック獣人のフミノ。大きな耳に丸い眼鏡。内気でコミュ障で、人前に出るとガチガチに固まる。 高校受験は第一志望に落ち、大学受験は全落ち、就活は五十社落ち。冬採用で滑り込んだこの会社が、最後の居場所。 俺はOJTの指導員として、この子を育てることになった。 問題は明白だった。営業スキル以前に、自己肯定感が地殻の底にある。「わたしなんか」が口癖。何を言っても「わたしなんか」で返ってくる。 だから、褒め倒すことにした。 電話を取ろうとしただけで褒める。名刺を渡せたら褒める。出社したら褒める。ちょっと酔った勢いで「かわいい」と言ったら、フェネックの大きな耳がぴーんと直立してからへなへなと折れた。 作戦は成功した。フミノは少しずつ喋れるようになった。 ——俺の前だけ。 ベテラン社員に言われた。「あの子がまともに喋れるのは、お前の前だけだ」と。 そして小声で教えてくれた。フミノが俺の歯ブラシを定期的に新品とすり替え、古い方を持ち帰っていることを。 もう引き返せない場所まで来ていたことに、気づくのが遅すぎた。 「先輩が——悪いんですよ?💞」 「わたしを、こんなにしちゃったんですから——責任、取ってくださいね?💞」

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カクヨム
カクヨム2026/04/11
  • 現在の作品自己肯定感が低すぎる後輩社員のフェネック獣人ちゃんを褒め倒していたら、「先輩が悪いんですよ💞」とヤンデレの言いがかりをつけられ襲われる話【俺にだけ愛が重すぎる獣人娘ちゃんとラブコメする短編シリーズ㉒】