あらすじ
工場のラインに挟まれて死んだ二十歳のバンドマン、霧島蓮が転生したのは1982年の日本だった。
名前は山田蓮。霧島じゃなかった。よりによって山田だった。
でも文句を言ってる場合じゃない。
現代でオワコンと笑われながらも死ぬほど好きだったあの音楽が、今まさに生まれようとしている。あのZ。あのD’ERLANZA。あのBACK-KICK。俺が青春を捧げた連中が、まだ無名のままライブハウスの地下でくすぶっている俺が青春を捧げた連中が、まだ無名のままライブハウスの地下でくすぶっている時代だ。
知識チートで無双してやる、そのはずだった。
機材が高すぎて泣いた。先輩バンドマンに飲み会で潰された。彼女が二股だったせいで殴られた。現代の曲を披露したら「なんか変わってるな」と微妙な空気になった。
この時代、全然スマートじゃなかった。
それでも俺は、山田蓮として夜叉羅刻(やしゃらこく)を組んで、伝説のシーンの真っ只中に飛び込んでいく。
笑えて、熱くて、時々泣ける。現代っ子が1982年の洗礼を受けながら、それでも夢を諦めなかった話。
そして最後に、あの人たちと同じステージに立つ日が来る。