あらすじ
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触れたものを震わせる——それだけの因子。
射程もなく、火も氷も出せない。村の便利屋として肩を揉み、埃を落とす。それが少年エピスの日常だった。
13歳の夏、帝国軍が村を焼いた。悪意はなかった。ただ自国のための資源を刈り取るように、整然と、静かに。
奪われた故郷。少年の手に残ったのは、「触れたものを震わせる」だけの因子と、二度と奪われないという誓い。
振動の本質を解き明かすたび、少年の因子は戦場を塗り替えていく。
だが、奪われないための力は、いつしか奪うための力に変わっていた。
誰にも止められない。本人さえも。