あらすじ

長年連れ添った日本人ゲイカップル、藤代雅也と三上俊司。 日本では夫夫として生きる未来に名前を持てず、二人はオランダへ渡った。そこでようやく、共に生きる人生を築いてきた。 だが晩年、俊司がアルツハイマー型認知症を発症する。 昔のことにはまだ手が届くのに、今この瞬間のことはこぼれ落ちていく。食事をしたことを忘れ、家にいるのに帰らなければと言う日々。介護に追い詰められた雅也は、新しい治験薬を試すことになる。 薬はたしかに効いた。 俊司は少しずつ“今”を取り戻していく。 けれどその代わりに、二人で生きた過去の輪郭が少しずつ壊れ始める。 結婚した記憶が薄れる。 日本で出会った時間が消える。 夫夫になるためにこの国へ来た理由さえ、俊司の中から抜け落ちていく。 正しい思い出を守るか。 穏やかな今を守るか。 これは、共有してきた記憶が崩れてもなお、隣にいる意味を問い続ける物語。

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カクヨム
カクヨム2026/04/11
  • 現在の作品【小説】あなたの隣にいつまでも