あらすじ
王太子の裏切りで婚約を失った公爵令嬢リュシアンヌ。
彼女が次に与えられた婚約者は、家格だけで選ばれた伯爵家三男アラン・ドレイモンド伯爵令息──
そして彼には、平民の恋人がいた。
それでもリュシアンヌは受け入れた。
政略結婚とは、そういうものだと。
だがある日、密偵が告げる。
「ドレイモンド伯爵令息は、あなたを“事故死”させる計画を語っていました」
愛人ノラもまた「公爵夫人になりたい」「子を入れ替えればいい」と笑っていた。
優しさは裏切られた。
寛容さは踏みにじられた。
リュシアンヌは扇子を閉じ、静かに微笑む。
──では、礼儀を教えて差し上げましょう。
それからアランは、公爵家での厳格な教育に追われ、社交界で恥を晒し、王弟や鬼将軍に叩き直されながら、自分が“彼女の隣に立つ資格などない”ことを思い知らされていく。
優雅で冷徹な公爵令嬢と、愚かで浅はかな婚約者。
二人の未来は、すでに決まっていた。