あらすじ
光帝学園には、日本の未来のすべてがある。
それは嘘ではない。
学園には2層のランク。
下層は使われてでも上へ行きたい一族。
上層は太古より人の上に立つ者たち。
政治、人脈、資産――それらは家名に引き継がれる。
日本であろうとも、富豪と庶民の命の重さは違う。
それらはいつ決まる?
生まれががら?
少し違う。
生まれたあとの、身の置き方ですべてが変わるのだ。
どんな富豪であろうとも、庶民に弱みを握られてしまえば、一息に凋落してしまう。
だからこそ、この学園では、誰もがトップを目指すのだ。
高校時代、青春時代。
この三年間に誰かの弱みを握り、強者を従え卒業をすれば、その後の人生は変わる――。
それすなわち、日本のトップ集団のパワーバランスの変化である。
■
さて、ここに一人の忍者の末裔がいた。
名を「八鳥」。
時代の裏側に生き続け、支える側の存在が、いつしか日本の中枢に立っている。
本来ならば、上層クラスにいるはずの主人公「八鳥 紅(はっとりこう)」は、
しかし、そのたぐい稀な忍者の才能により、あえて一般クラスへの入学を希望していた。
「世界はくるっている。金持ちは終わっている……」
家の体面上、入った光帝学園。
その中で、彼は、政治には参加せず、他人を蹴落とすレースにも参加せず、
静かに家のためだけに卒業を目指していた――はずの2年に進級した春。
「ごめんなさい……鳥さん……痛かったよね……」
広大な光帝学園の、誰もが訪れない森林区画の奥で、
涙を流す、上層クラスの女子生徒を見かけた。
彼女の名は、「雪白 妃花(ゆきしろひめか)」。
通称、白雪姫。
表情を表に出さず、他者を蹴落とす氷結の姫が、涙を流して、小鳥を地面に埋めていた。
「……何をしてるんだ?
「ふぇ? ――あっ!?……こ、この無礼者! なにをしているかは、こちらのセリフなのだけれど?」
「もう遅いと思うが……」
「ひい!?」
冷徹女子高生の裏側をしった忍者の末裔。
不覚にもなんだか心を動かされた。
(こいつなら……あるいは……)
そうして始まった政治的学園生活。
果たして「紅」は、白雪姫を無事に守り切れるのか!?