あらすじ
近世イタリア。死に向かう際の幻覚の中、黒いドレスの女に勝手に下僕扱いされ目覚めた青年貴族アルフレード。
不可解ながらも夢だったのかと考えるが、部屋に来た使用人は、アルフレードが二ヵ月前に死んで埋葬されたはずだと言い怯える。
さらに、主の居ない状態の屋敷を仕切っていたのは、八年前に死んだはずのアルフレードの従兄弟ラファエレだという。
♝ BL表現少々あり。
♝ '19.8.31無事に完結致しました。読んでくださった方々、感謝致します。
♝ 小説家になろうにて加筆修正版を公開しています。(完結済)
♝ 第9回ネット小説大賞一次選考通過しました。
【本文より】
骸骨は、アルフレードの両肩にそっと手をかけた。
軽く、ゴツゴツした指先。
奇妙な感触だった。
本来動くはずのないものが、力を込めているのだ。
「教会の地下墓地で、静かに眠っておれば良かったのに」
静かに手の位置を移し、骨の手はアルフレードの首筋に触れた。
親指で喉仏をグッと押される。
首を絞めようとしていると気付くのに、暫くかかった。
「ぐ……」
食道が圧迫され、息が詰まった。
「大丈夫。この家は、私がちゃんと盛り立ててあげる。お前は安心して、ここで身元不明の死体におなり」