あらすじ
あらすじ:
昭和の初め。
旧制中学から一高への受験を控えた清は、父が強いる「輝かしい将来」という名の重圧に、息を詰めていた。
法事の日、彼が出会ったのは、美術学校を出て自由な生活を送る財産家の子息、藤一郎。
「君が君であるままの姿を、画布の中にそっと留めておけるような場所へおいで」
……ああ、このお方こそが、私の知らない世界の扉を開く、真の『先生』なのだ。
先生の囁きに導かれ、清は二子の林の奥にあるアトリエへと足を踏み入れる。
そこは、永遠の美しさを強制された蝶たちが眠る、静かな標本箱だった。