あらすじ
「神官様は僕が守ります!」
大神官代行サフォスの前に飛び込んだ、赤髪の少年ファリア。疾風のごときその戦いに、サフォスは奇跡とこれまでにない高揚を覚える――。
サフォスはファリアの中に「五人目の聖騎士」を見出し、自らの邸宅に囲い込む。だがその寵愛はやがて凄絶な支配へと変貌した。圧倒的な権力と歪んだ愛。ファリアの心は砕かれ、快楽と恐怖の奴隷へと堕ちていく。
転機は、最難所「北方砦」への出陣だった。そこで出会ったのは、**「北の覇者」**レイラ・マルトレート。峻厳な地を統べるその騎士は、吹雪のように厳しくも、凍えた心に体温を宿す慈愛で彼を包み込む。
「お前は何も悪くない。美しいまま、どこも汚れてはいない」
レイラの腕の中で「自由の風」としての意志を取り戻したファリア。だが、サフォスの執着は再び彼を地獄へと引き戻す。
「あなたは狂っている。王国を滅ぼす怪物だ!」
ついに放たれた決別の言葉。サフォスの檻を突き破り、ファリアは愛するレイラが待つ北の地へと舞い戻る。
不屈の盾と自由の風。宿命を越えた二人の、真実の愛が幕を開ける。
静謐な美と昏い情熱が交錯する、耽美な愛の叙事詩。