あらすじ
いつも茜の近くにいた夕飛。
特別なことなど何もなかった日常。
繋いだ手は温かく、他愛ないことを話しながら登校する時間は楽しかった。
だが、今年の春は、彼が隣にいない。
桜の開花を前に、北海道に引っ越していった夕飛。
大人だったら、飛行機に乗って自分の力で北海道まで夕飛に会いに行けるかもしれない。
子供だったら、こんな小さな恋なんてすぐに忘れて前を向けるかもしれない。
大人と子供の狭間。
部屋の中でスマホを握りしめることしかできないことがもどかしくてたまらなかった。
桜前線1か月分――
その距離は、高校生の茜にとって切ないほど遠かった。