あらすじ
隣の席のハリネズミ獣人・ネネカ。
背中から逆立つ針のせいで皆に怖がられ、不良扱いされているクラスメイト。別に不良じゃない。喧嘩もしたことない。ただ針が怖がられて、ずっと一人だっただけ。
そんなネネカが昼休みに何も食べていなかったので、パンを半分あげた。手で受け取らない。目を瞑って口を開けて待っている。——食べさせろ、ということらしい。
ちまちまと齧る小さな口。もぐもぐ動く頬。閉じた瞼の下の、意外と長い睫毛。
不良娘じゃない。これは、小動物だ。
餌付けは毎日の日課になった。ネネカは俺にだけ心を開き、イメチェンしたいという夢を打ち明けてくれた。
そして、人気美容師な俺の姉の力を借りて清楚系に生まれ変わったネネカは、学校の人気者になった。
——よかった。本当に。
だが、ネネカは昼休みの餌付けをやめさせてくれなかった。それどころか、パンを食べさせる俺の指先を、口に含んで舐めるようになった。
そして気づいた。俺が他の女子と話している時、物陰から見ているネネカの背中の針が——剣山のように逆立っていることに。
そしてある日の昼休み、屋上に連れ出された。
鍵がかかった。パンは、持っていない。
「今日のごはんは、別にあるから。そう——アンタだよ」
「はい、ごちそうさま💞」