あらすじ

――2008年、6月。 会社を辞めたばかりの千陽のもとに、子供の頃に喧嘩別れしたまま疎遠になっていた宗一から手紙が届いた。 封筒の中には夜行列車のはやぶさの切符と「村へ帰ろう」という意味深な言葉が書かれていた。 懐かしさに引き寄せられるように、千陽はかつて暮らした村を宗一と共に訪れるのだが、村の景色も人々の記憶も全てが歪に見えた。 子供の頃、山の中で交わした宗一との約束と拒絶。その時、山に響いた「――ならんせ」という異形の声。 あの日を境に、千陽は宗一への恋心と共に村での記憶を失ってしまった。千陽が村を去ったあとも宗一は異形に奪われた千陽の心を取り戻すため村の祠で祈り続けていた。 村の過去と現在、現実と怪異が怪しく交錯する中、千陽は消えゆく宗一の影に手を伸ばす。 忘却と再生をめぐる、ノスタルジック・青春ホラー。 【登場人物】 水城千陽(ちはる)22歳 会社員(失業中) 小学生の頃、宗一が住む田舎に移住してきた。両親の夢に振り回される子供時代を過ごしたため、自分の夢に対して自信が持てず消極的。宗一と過ごした村の記憶を事故でほとんど失っている。ケーキ屋になりたかったが悩んでいる。 秋月宗一(そういち)22歳(役者志望の元気なイケメン) 田舎の小学校に転校してきた千陽と友達になる。千陽を村の仲間として受け入れていたが「家族にならんせ」と言ったら、千陽から拒絶されてしまい子供心に傷を負う。 役者の卵で劇団のオーディションを受けるために千陽がいる東京にやってきた。 掲載:ノベマ

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小説を読もう2026/04/10
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