あらすじ
冒険者パーティー『壁の刃』をクビになった少年シオンは、押しかけてきた自称・孤高の騎士ミニャと行動を共にする。折しも王都に強力なモンスター「大甲獣」が襲来。シオンは作戦立案の才能を開花させ大甲獣を討伐するが、黒猫のモンスター・ホワポチの悪意ある罠により、ミニャが濃縮ポーションを飲まされ最強の人型モンスター「角姫」と化してしまう。当時の隊長はシオンに自身の娘であるエドを託し、角姫を足止めして命を落とす。
時が経ち、大人になったシオンは『壁の刃』の新たな隊長となっていた。一方、亡き前隊長の娘エドは、父を殺したのは現隊長(シオン)だと誤解し、復讐のため素性を隠してパーティーに加入していた。角姫の再来を予期したシオンは、かつて自分を信じてくれたミニャを自らの手で葬るため、そして仲間やエドを死地から遠ざけるため、冷酷な暴君を演じてエドをクビにする。彼はポーションを大量に溜め込んだ監視塔に角姫を裏口から誘い込み、一人で決着をつける覚悟だった。
シオンの真意と父の死の真相に気づいたエドたちは、彼を救うために拠点へと駆けつける。しかしシオンは、角姫の攻撃から彼らを守り、仲間の空間転移スキルを使わせて強引に安全圏へと逃がす。最後にシオンは、幼い頃のエド(えっちゃん)と交わした「また、レディーだな」という言葉を口にして微笑んだ。
一人残されたシオンは、角姫に自らの腹を貫かれながらも、その腕を両手で強く握りしめて決して離さなかった。そして、拠点に仕掛けておいた特製のポーション起爆装置を作動させる。シオンは「中身まで掴んだら一蓮托生ですよ」と、かつてのミニャの言葉を返し、彼女と共に眩い爆発の光の中へと消えていった。