あらすじ
「正しい」とは、何か。
かつて世界は、勇者によって救われた。
飢餓は消え、争いは終わり、人々は平和に暮らしている。
誰もがそれを“正しい結果”だと信じていた。
だが、その裏側に——
誰かを切り捨てることで成り立つ“正しさ”があったとしたら。
記者ハルは、取材を通して“世界の真実”に触れていく。
勇者の行いによって救われた者たちと、切り捨てられた者たち。
相容れない“正義”の対立。
そして、迷いを捨ててすべてを選別した、勇者の在り方。
やがてハルは、究極の選択を突き付けられる。
“真実”か、“世界”か。
真実を選べば、切り捨てられてきた者たちを救える。
だが、その瞬間、世界の秩序は崩壊する。
世界を選べば、多くの人々の平和は守られる。
だが、真実は覆い隠され、犠牲はなかったことにされる。
——選ばなければならない。
迷い、葛藤し、数多の“正しさ”と向き合った末に、
ハルが選んだのは——“世界”だった。
それは、嘘で世界を守るという選択。
だが彼女は決める。
このままでは終わらせないと。
誰にも気づかれないほど、ゆっくりと。
ほんのわずかずつ、“世界”を変えていくと。
たとえそれが、嘘の上に成り立つものだとしても。
これは、“正しさ”を選び続けた世界と、
その嘘を引き受けた一人の人間の物語——