あらすじ
遠い未来の地球。人々が空の彼方に造った、浮遊都市と呼ばれる箱庭に閉じこもって暮らす時代。機械仕掛けの翼で空を行く女、ユーはある日、同じく旅の途中だというミリーと名乗る女性と出会い、共に翼竜を観に行くことに。
旅先でミリーは死んでしまうが、その死に方は少し奇妙で、ユーはミリーとそのうち再会するかもしれないと感じる。
それから間もなくして、ユーは滞在中の浮遊都市で悪夢にうなされる。身に覚えのない過去を追体験する夢。目が覚めると、ベッドのそばにミリーがいた。
ミリーの手によって、ユーは失っていた記憶を取り戻す。
ミリーとユーはかつて同じ学校に通うクラスメイトだったが、ミリーがいじめっ子へ殺人未遂を犯したことで、都市の法律に従い記憶や人格を弄られ、二人は離れ離れになっていた。
本来の人格を失っていたミリーだが、別の都市に滞在中事故にあい、「記憶を弄るなんて非人道的だ」と考えるその都市の方針によって、手術を受けて記憶を取り戻すことになる。
それから三年。日が経つごとに、本当の自分と偽りの自分が混ざり合い、本当の自分が消えていっている……そう感じていたミリーは、かつて自分が憧れていたユーに、自分のことを覚えていて欲しいと願って、今回の騒動を起こしたことを告げる。
ユーに謝罪し、空でやり残していたことを全て片付けたミリーは、夢をかなえるべく、現代の人々が忌み嫌う地上世界へ行くことをユーに話す。
ユーにとっても、地上は憧れの場所だった。その日は必ず連絡をくれるようにミリーに頼むことで、二人は和解する。
当日、地表で二人は別れる。地表に降り立ち歩き始めたミリーへ憧れを抱きながらも、ユーは大地に降りることなく、独り空を飛び続けた。