あらすじ
異世界に来て、10年。
高校1年のとき、事故をきっかけに異世界へと迷い込んだ田中緑は、
今では町の食事亭で働きながら、穏やかな日々を送っている。
そんな彼女には、どうしても諦められない想いがあった。
――この世界で最初に出会い、助けてくれた狼の半獣人の騎士、バルスへの片想い。
けれどその想いは、伝えるつもりのないものだった。
自分は選ばれないと分かっているから。
彼にとって自分は、ただの「懐かれた異世界人」でしかないと知っているから。
それでも、そばにいられるだけでよかった。
そう思っていたはずなのに――
少しずつ変わっていく距離と、すれ違う想い。
これは、
10年伝えられなかった恋が、
ゆっくりと形を変えていく物語。