あらすじ
世界を救うたび、仲間がひとり死ぬ。
災厄を鎮める《巡礼》は祝福の旅だと、誰もが信じていた。
けれど真実は違う。救済は、命を代価に進んでいた。
死者の声を聞く少女エルナは、《聖女》として王国の討伐隊に加わる。
華やかな勇者、優しい仲間たち、そして無愛想な黒騎士カイン。
世界を救うはずの旅路で、仲間は次々と死に、優しさは壊れ、真実は血に濡れていく。
やがてエルナは知る。
魔王とは悪ではなく、世界にすべてを奪われた者の末路だと。
そして次にその座へ堕ちるのは、愛してしまった男だと。
彼を救えば世界が滅びる。
世界を救えば、彼は魔王になる。
これは、希望に何度も裏切られながら、それでもたったひとりを愛してしまった聖女の、残酷で絶望的なダークファンタジー。