あらすじ
『もう一人の自分』が隣にいる世界。
人間の脳とネットワークが接続され、『アーキタイプ』と呼ばれる親切な隣人が日常に浸透した近未来の日本。
高校二年生の倉間結花は三年前、父が主導した『第三層領域降下実験』の事故によって、双子の姉・天花と母・里咲を深層領域に奪われた。
以来、結花は対深層治安組織『ミラージュ』に所属し、深層から現れる来訪者と戦いながら、天花の手がかりを追い続けている。
だが、結花のアーキタイプ『リプレッション』は、スケジュールもまともに管理できず、拗ねれば声すら出さなくなる〝不親切な隣人〟。
人を助けるはずの存在とは思えないその力を抱えながらも、結花は戦う。
「天花を取り戻す」――そのために。
やがて結花は知る。
人を支えるはずのアーキタイプの正体と、深層領域に沈む〝もう一つの現実〟を。
それは――人間が生み出してしまった〝歪み〟だった。