あらすじ
明日、近衛兵ユリウスとエナは退団する。
長い戦いの日々を終え、二人で小さな式を挙げ、
ようやく“普通の未来”を歩き出すはずだった。
王都の夜は優しく、仲間たちとの宴は温かく、
未来は確かにそこにあった。
――警鐘が鳴るまでは。
突如として王都を襲った魔王軍。
門は破壊され、守備は崩れ、街は瞬く間に蹂躙される。
ユリウスとエナは剣を取り、最後まで抗うが、
圧倒的な力の前に、希望は音を立てて崩れていく。
そして、最愛の人は彼の腕の中で静かに息を引き取った。
迫りくる影。
逃げ場のない夜。
王都の音が消えていく中、ユリウスはただ彼女を抱きしめ――
その先を、誰も知らない。
これは、
「帰りたかった未来」を奪われた二人の、
王都最終夜の物語。