あらすじ
世界は、崩壊し始めていた。
金融、情報、国家。
すべての構造が同時に綻び、誰も止めることができない。
人々は疑い、分断され、社会は内側から壊れていく。
その中で、日本だけが完全には崩れなかった。
理由は分からない。
だが確かに、人と人との繋がりの奥底に、言葉にならない何かが残っていた。
やがて世界は、日本を中心に再び動き始める。
かつて“第三世界”と呼ばれた国々が、日本に手を差し伸べる。
しかし同時に、長い年月をかけて築かれてきた“支配の構造”が、その全てを内側から崩しにかかる。
信頼は壊され、人は分断され、日本は崩壊寸前まで追い込まれる。
その時――
遮断されていたはずの通信が開く。
映し出されたのは、北の指導者。
そして彼は、日本語でこう告げる。
「遅くなった。ここからは、我々が引き受ける」
敵だったはずの国。
対立していたはずの関係。
そのすべてが覆されるとき、世界は“本来の構造”へと還り始める。
これは、戦争の物語ではない。
分断の正体を見抜き、その先へ進む物語である。