あらすじ
王太子に断罪された伯爵令嬢セレナには前世の記憶がある。日本の中堅メーカー総務部で過労死した、元社畜の記憶が。
「承知いたしました」
泣き崩れるどころか満面の笑みで婚約破棄を受け入れたセレナは、追放先の辺境で荒れ果てた領地を見てこう決意する。
「ブラック領地をホワイトに変える。まずは帳簿から」
前世の業務改善スキルで赤字の原因を暴き、排水路を直し、薬草茶の特産品を開発する。定時退勤は絶対に守る。
隣領の辺境伯は、なぜか毎週視察に来る。外套を貸してくれる。焼き菓子を持ってくる。全部「合理的な判断」らしい。
一方、王都では。有能な令嬢を失った王太子の派閥が、静かに崩れ始めていた。