あらすじ

「──成瀬って子、まだ、やってたんだ」 トランポリン、というスポーツがある。一度の演技は三十秒、やり直しのない一回勝負。そんなシビアな競技だ。 中学二年の夏。予選を初めて突破して出場した全日本ジュニア選手権で、成瀬公音は憧れと、同時に挫折を味わった。 全国という大舞台で軽やかに、白鳥のように舞う、鱶丸リョウカという一人の少女。 届かないと分かっていても、並びたくて。 燃える気持ちが先行して、空回って。 そうして、公音の情熱は砕け散った。 ──それから、およそ一年半。 古野富田林高校に進学した公音は、あの日のトラウマを思い出す。 後ろ髪を引かれ、後ろめたい気持ちに苛まれ、再び燃えようとする心に水を差し、他人の目を避けていた彼の前に、突如、新設された「トランポリン部」が現れる。 もう一度跳びたいのか、跳ぶべきなのか。 自分の本心も分からずに、体育館に足を運んだ公音は、次の瞬間絶句する。 そこにいたのは、創部したのは、彼がかつて憧れを抱いていた少女、鱶丸リョウカだった。 「──本当に、来てくれたんだ」

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カクヨム
カクヨム2026/04/09
  • 現在の作品臆病猫は鳥になる。